運動しているが痩せない原因とは?!
生活や運動の消費エネルギーを概算できるMETS法ですが、人間の消費エネルギー(代謝)というのは簡単に数字で出せるほど単純なものというわけでもなく、例え年齢と体重の同じ人が全く同じ運動をしたとしても微妙に異なるでしょうし、完璧に算出することは難しいと言えるでしょう。(これは基礎代謝にも言えることですね)
米国のサイト、mensjournalではこの消費カロリーの概念を考えるにあたって興味深い研究結果を載せた記事を掲載しています。
運動量を増やしても痩せない原因とは?
以下は翻訳部分になります。
仕事場に自転車で通い、ランチタイムにはウォーキングをして、仕事後にウエイトトレーニングをすれば当然、ジムに行かない人と比べたら大量のカロリーを消費すると思いがちです。
ところが、実はそうでもないのです。
私達の身体は高い身体活動レベルに適応するため、他の人と比べて長時間ハードな運動をしたからといって、必ずしもより多くのカロリーを消費するわけではないということが最近の研究で判明しています。
それはつまり、食生活を改善しない限り、体重は減らないということでもあります。
「ほとんどの人が身体活動と1日の消費カロリーの間には非常にシンプルで、直接的な関係があると考えがちです」とこの研究を行ったニューヨーク市立大学の人類学教授、ハーマン・ポンツァー氏は話します。
「例えばフィットビット(手首に装着し1日の消費カロリーなどを測定できる機器)のソフトウェアはそのようにプログラムされていますし、テレビのダイエット番組などでもそのように説明されています」
しかし、この分野での研究が進むにつれ、ポンツァー氏を始めとする研究者らは、従来のエネルギー消費(つまり、カロリーが燃えるということです)に対する考え方に懐疑的になりました。
「もしこれが単純な1対1の関係であれば、非常にアクティブな生活を送っている人々と動きの少ない人々の間に劇的な消費カロリーの差がないのは何故か?
エクササイズを始めても、数ヶ月もすると体重が減らなくなるのはなぜか?」と考えたわけです。
全てが、ある一定のレベルを過ぎると身体がエクササイズに慣れ、つまり数km余計に走ったところで実際には同程度の効果が得られるわけではないということを示していました。
この理論を検証するため、ポンツァー氏らの研究チームは様々なフィットネスレベルの332人の男女を集め、この分野では過去最大規模の研究を開始しました。
1週間にわたって、研究者らは毎日、被験者の摂取カロリーを記録し、身体に装着した加速度計を使って毎日の活動レベルを計測しました。
カロリー消費の計算には呼吸ガス交換を計測する複雑な手法が採用されました。
その結果、興味深い事実が明らかになりました。
活動強度が中程度の人々は活動強度が低い人々より1日あたり約200kcal多く消費していました。
しかし、活動強度が高い人々のエネルギー消費量は、中程度の人々よりも多いということはなかったのです。
この結果は、エクササイズによる利益はカロリー消費という面では停滞するということをはっきりと示しています。
「もし、Xキロ余計に走れば、Xカロリー余分に消費するから、Xキロ多く痩せることができる、と考えているのであれば、残念ですが間違っています。」とポンツァー氏は言います。「身体は活動量の増加に適応するため、余計に消費するはずだったカロリーも消費しなくなるのです。」
体重減少を目標としているのであれば、ジムでどれだけの時間を過ごすかということも大事ですが、食生活に注意を払うべきであるとポンツァー氏は言います。
「体重減少のためには、エクササイズを増やすことよりも、食生活の変化の方が大きな効果があります。
エクササイズが大事ではないと言っているのではなく、実際エクササイズは不可欠ですが、運動量を増やすだけでは効果的なダイエットにはならない、ということです」
この研究からも“消費カロリー”というものは、少し曖昧で捉えづらいものであることがわかりますね。
このようなことも関係するのか食事の内容や量を普段と変えず、今習慣としている筋トレや有酸素運動の量を少しだけ増やして体脂肪、体重を落とそうというのは結構に成果が出づらいものです。
食事制限も加えるのと加えないのでは雲泥の差があると言ってよいでしょう。
筋トレやジョギングはしてるけど食生活は変えていないという方で、成果がなかなかでてこないという方は今回の記事を参考にしてみてください!
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